1960年代にアメリカで生まれたチョッパー
バイクというのは、買ったままの状態でにしておくのではなく、パーツを好きなものに取り替えてカスタムして乗ることができるという楽しみがあります。
バイクのカスタムは昔から行われており、いくつものジャンルがあります。
その中でも特に、アメリカでポピュラーなのが「チョッパー」です。
1960年代から1970年代にかけての、ベトナム戦争の前後に誕生したチョッパーは、盗んだバイクを原型が分からないほどまでに改造したものから始まったと言われています。
チョッパーの語源は「チョップ」、つまり、「ぶった切る」という意味で、元のバイクを原型がわからなくなるぐらいまでチョップしてカスタムしていました。
ベトナム戦争で心が病んだ若者たちなどが、表現のはけ口を求めて誕生したのがチョッパーということもできます。
このように過激な背景から生まれたチョッパーには、いくつかのカスタムポイントがあります。
チョッパーの定番カスタムポイント
チョッパーで最も特徴的な定番カスタムポイントは、なんと言っても「ロングフォーク」です。
アメリカンバイクはノーマルでも少し長めなのが普通ですが、更にフロントフォークを長くしたスタイルがチョッパーでは一般的です。
映画「イージー・ライダー」に出てくる憧れのバイクそのものを体現しているロングフォークは、顔を少し横にずらせないと前方が見えないという特徴があります。
普通のバイクに乗り慣れている人がいきなりロングフォークを乗りこなそうとしても、かなり難しいというのが現状です。
乗り心地は決して良いわけではないので、ただひたすら乗り手の満足感を満たすためのカスタムと言えるかもしれません。
ロングフォークにカスタムすることによって、前方の視認性が悪化するだけではなく、ハンドリングや耐久性も悪化してしまいます。
このように、一見無意味に見えるカスタムがチョッパーの大きな特徴です。
エイプハンドルもチョッパーの定番カスタムポイントのひとつ
エイプハンドルあるいはエイプハンガーと呼ばれるハンドルも、チョッパーならではの定番カスタムポイントのひとつです。
バイクに乗った時に、猿が木からぶら下がっているように見えるのがエイプハンドルの特色です。
エイプハンドルの他、Zハンドルや短い一文字ハンドルなどもチョッパーに特有のスタイルです。
チョッパーはあくまでもカスタムバイクの産物で、既成のチョッパーバイクというのは存在しません。
カスタムバイクの中では古典ともいえるチョッパーですが、チョッパーから誕生した「フリスコ」などといった新しいスタイルも誕生しており、今後の新しい展開も期待できそうです。
いずれにせよ、走りに自信があるライダーのためのカスタムであることは間違いありません。